とかげ手帳

手帳の中身のおすそわけ

あんスタくんと私~三毛縞斑について~

おはようございます。守宮ビブロンです。


突然ですが、私の推しは七種茨です。そして、守沢千秋です。なのですが、今回は三毛縞斑についていろいろ考えました。七種茨と守沢千秋についても感情をまとめたいところなのですが、なにはともあれ三毛縞斑です。骨董綺譚を読んで、そうきたか……となったため、私なりの解釈をまとめました。覚悟を決めて読まなければと思っていたので、今になってしまいました。ご容赦ください。

骨董綺譚を読み終えました。なんだろう、陰の部分が色濃く出ている気がする。理想と現実が乖離しすぎていて、自分でも自分が分からなくて迷走しているのではないだろうか。ズ!だと維新の「自由気ままに動きたい気持ちがあるけれど動けなくて(正確に言うと動けないと思い込んでいて)鬱屈している人」という印象が強い。善か悪か、どちらにもなれなくて苦しんでいる。白黒はっきりさせたいんだろうな、と思った。
それを経てズ!!ですよ。迷走に迷走していたところを七種茨にいいように使われてしまったDouble Face。相方のこはくくんはすでにユニットに加入済みという異色すぎるユニット。一時的、とはいうけれどまた活動はするのだろうと感じていた。骨董綺譚で再び現れたわけですが。
ここで少し、三毛縞斑が目指している「ママ」についての話をしようと思う。「ママ」とは文字通り「母」の意味を持つ言葉である。「母」は物語上、優しさと恐ろしさを併せ持つ存在だ。有名なのは日本神話に出てくるイザナミ。生み育てる存在であったが、死んで冥界に行った後は人間を死へと誘う存在となった。他にも山姥や魔女などがいる。「母」は神と同じく、恵みと滅び両方を与える存在として語られることが多い。愛は時に人を殺す刃となる。過剰な愛は簡単に人を滅ぼしてしまうのである。
果たして三毛縞斑の言う「ママ」は恵みと滅び、どちらを与える存在なのだろうか。基本的には恵みを与える存在として語っていたのだろう。実際、誰かと誰かの橋渡しをしたり、他人を助ける行為が目立っている。ズ!!のメインストーリーでのALKALOIDへの助力、暗夜行路でのGFK討伐、今回の骨董綺譚での行為もまた、他人からの依頼なのだから助力には違いない。だが、メインストーリーとDouble Faceを組んでからの動きで明らかに違う点がある。前者は他人のためではあるが結果的に自分のため、後者は徹頭徹尾他人のため、という点だ。ソロで活動していた頃は、まわりまわって自分がよりよく動けたり、自分の罪滅ぼしのためだったり、自分が物語に関わりたかったりと最終的に自分本位での助力だった。しかし、Double Faceでの活動においては三毛縞斑本人への利があまり見られない。暗夜行路はまだ、親友が関わっていたり事務所への害を減らしたりという利があった。骨董綺譚では自分が動きにくいからという理由を明かしているものの、三毛縞斑個人の意志が弱い気がするのである。だから、何をしたいのかが見えない。三毛縞斑の心が分からないのだ。
ここからは私見になってしまうことをご承知いただきたい。ズ!のストーリーを追っていて気がついたのは、彼は死にたがっているのではないかということ。けれど、アイドルとしての理想も捨てられなかった結果が「MaM」ではないのだろうか。たった一人、街の異端者でありながら困りごとを解決し、そして去っていく西部劇でおなじみのガンマン。どこにも所属していない、自由気ままな存在。それが彼にとっての「アイドル」、理想なのだろう。だが、ズ!!ではその「MaM」での活動が難しくなった。理想の存在になれる場がなくなった。だから彼は、いよいよ死に場所探しを始めたのではないかと考えている。どうせ死ぬから汚れ仕事を一手に引き受けてやろうとでもいうのだろうか。骨董綺譚のラスト。衝撃的な幕引きではあったが、あれは、あの別れは、もうすぐ死ぬ猫が死ぬところを見られたくないがために飼い主の元を去る、ということの現れではないだろうか。三毛縞斑の本心はまったく見えないストーリーとなっていたのは、裏事情含めてすべてを見通した上で、あの別れにしようと画策していたからではないだろうか。見られてしまったのではなく、わざと見せたという可能性がある。転校生の性格を熟知している彼なら簡単にできるだろう。
今後の三毛縞斑はきっと、こはくくんも遠ざける。そして、一人きりで死ぬのだろう。アイドルとしての三毛縞斑を、殺すのだろう。その前に誰かぶん殴ってくれないだろうか。誰か……。候補としては守沢千秋(優しすぎるのでダメ)、奏汰くん(そこまでしてくれるかどうかは謎)、こはくくん(第一候補ではあるが、その前に遠ざけられそう)……。三毛縞斑に踏み込んでくれる人、いるのか? もう一つの道としては、こはくくんは遠ざけず、むしろ三毛縞斑を殺す役にする可能性。こはくくんを暴走した自分を止めた英雄として仕立て上げて退陣する、みたいな筋書き。いつか殺してくれるだろうからそばに置いている、みたいな……。それをはねのけてくれるんだろうか、こはくくんは。はねのけたところで三毛縞斑には寄り添ってくれないのだろう。みんなで支え合おう、という流れの中で三毛縞斑はどのような終着点にたどり着くのか。まったく想像できなくて怖い。このまま筋書き通り死なせてあげた方が楽なんじゃないか、と思うけれどそんなに甘くはないんだろうな……。まだまだ苦しめさせるんだろうな……。考えていたらつらくなってきました。終わります。

 

ところで、七種茨の「姿は見えないのに又聞きする」率なんなんでしょうね。私は他者目線で語られるというシチュエーションが大好物なので興奮してしまいました。人の心が分かってきた七種茨、恐ろしい男ですね……。恐怖を把握してしまったら最強じゃないですか。さすが、自ら悪人になることを望んだ人間だなと思いました。同情しそうになったらウインターライブでの言を思い出すことにします。同情したら負けだぞ……(ボギータイムでちらっと見えたやるせなさに涙してしまった人です)。相変わらず元気に楽しく暮らしているようで何よりです。