私が考える最高の同人活動
どうも、ビブロンです。起きたら15時でした。
最近、同人誌の値段が高いだの安いだのが話題になってますね。私としてはこんな考えです。
教授が言ってたことなんだが、同人誌もだんだん趣味から商業化しているみたいだと……。私もそう思います。
— 守宮ビブロン (@gekko_asagi) 2019年2月16日
個人的には文学と商売って相性が悪いと思ってます。そのものの価値基準が人によって違うのに値段は一定ってどうなん?と……。
— 守宮ビブロン (@gekko_asagi) 2019年2月16日
今はお金で回る世界だから、文学の商業化は仕方ありませんけどね。
それは置いといて。同人活動はあくまで趣味であって、同人誌の価格を労働対価みたいに言われるとちょっと違うなと思います。そもそも同人活動は本という媒体にしたいという欲求から始まり、一冊だけ刷るのはもったいないから欲しい人に配ろうということから生まれたもの、ですよね。その本を無料でもらうのはちょっと、ということで自分の本やお金という対価を払うようになったのでしょう。ネットが発達した今ではまた違う認識なんでしょうけど。
とある作者の作品が好きで、もっと読みたい、これからも活動してほしいという応援の意味も含まれているという意見には全面的に賛成しています。パトロンってやつですね。パトロンといえば経済的に豊かな人が多かった歴史がありますが、同人活動ではお金持ちに限りません。出せる額に限度があるからこそ、値段問題が発生するのかなと。
無理なく応援する、という認識が広まればいいなあと思います。そして、作者側は応援されればラッキー、ぐらいの気持ちでいた方がいいんじゃないでしょうか。好き勝手に書いてたら応援されるってすごいことです。少なくとも私は感謝より前に驚きがきます。だってまったく知らない人が自分の作品読んでくれて、さらに反応(お金でも感想でもいいねでも)をくれるんですよ?? 溢れるほどある娯楽の中で自分の作品に目を向けられることのすごさを考えれば、値段なんてそんなに気にならないです。私は。
主に書き手メインで考えてみました。読み手としては、好みの作家さんにはいくらでも払いたい、もっと応援したい、けど力(経済力や拡散力や語彙)が足りねえ、と思っています。私の中でも書き手と読み手で意見が違うのだから、同人活動をしている人たちの意見なんて千差万別。それぞれの価値観にあった活動をすればいいんじゃないかな、と思います。それが業界なんてない同人活動のよさなんじゃないでしょうか。
ここから先がタイトルにある、あくまで私が楽しいと思う同人活動の形です。とっても私的。
続きを読む移動の楽しみ
移動が好きだ。移動と言っても違う場所に行くことではなく、行くまでの過程のことである。飛行機、新幹線、船、電車、バス、車。移動する手段は様々で、どれに乗っても楽しい。一番楽しかったのは寝台列車だ。小さい頃、某夢の国に行ったのだが、私の脳にはそこに行くまでの寝台列車の記憶しかないからよっぽど楽しかったのだろう。大陸横断だとか日本縦断だとかの文句を見るたびに、いつか絶対乗ろうと決意する。
歩いたり自転車に乗ったりするのとは違って、座っていれば目的地に着いているからすごい。乗り物酔いは滅多にしないから、その間は何でもし放題だ。本を読んでもいいし、音楽を聞いてもいい。書きものだってへっちゃらだ。ぼけっと座って、どこを見るでもなく窓の外に目を向ける、なんて贅沢ができるのは移動中ぐらいだ。
車だけは酔ってしまうため、何もできない。そんな時には考え事がはかどる。何もしていないように見えて、頭の中はくるくる動いているのだ。だからドライブはもっぱら身をゆだねる側である。一応免許はとったが、運転中は緊張しっぱなしでとても楽しめるものじゃなかった。余談だが、大学の教授たちは若手を除くと運転しない人が多い。文学系だからだろうか。私も免許は便利な身分証という認識で、自分で運転したいとは思わない。
閑話休題。
さて、移動が楽しいのなら散歩も楽しい。あてもなくぶらつくことは、一番の気分転換になる。しかし、そんなのんきなことが言えたのは、雪がなかったからだと痛感した。北の大地にやってきてから、冬が長くなり、寒くなった。そして雪道を歩くことが日常になると、外に出るのがおっくうになる。何も用事がないなら家にいたい。歩いていても、足元が滑るため、いつだって気が抜けない。氷でコーティングされた道路は固く、頭でも打てば致命傷になりかねない。まさに生と死の狭間である。今日、初めて転んで、手のひらと尻を強打した。安全な転び方だったからたいしたことにはならなかったが、信号待ちの車に見られて恥ずかしかった。雪道初心者としては頑張っていた方だと思う。雪道でなくとも、ぼんやり歩いていると迷うし、自転車に乗っている時に注意が逸れると転ぶ。やっぱり、ぼけっとしていられるのは他人の運転する乗り物でないと駄目だ。
それにしても、乗り物特有の揺れはどうしてあんなに心地いいのだろうか。睡眠を十分にとっているのにもかかわらず、襲い来る睡魔には勝てない。何をしていても結局寝てしまうことが多い。速く目的地に着く乗り物が発達しているのは、時間がもったいないという考えからだろうが、私は逆に移動時間が多ければ多いほどわくわくしてしまう。これから、あの至福の時がだんだん減っていくのだと考えると少しさみしい。
*ネタバレあり 『ゼロの執行人』考察
こんにちは、ビブロンです。忙しさが落ち着いてきたので、映画見に行ってきました。
昨年『純黒の悪夢』を金曜ロードショーで見た時には「ああ、あれが話題のか。ふうん」ぐらいだったのに……沼に落ちてからはあっという間ですね。
多少覚悟を決めていったにもかかわらず、じわじわと侵食してきています。なんだあのスルメ映画は……。いろいろとんでもなかったので、私なりの考察をまとめてみました。
原作未読の上に知識がほぼない状態での私見なので、「素人が何抜かしとんじゃ!」と思った方は読まないことをおすすめします。
エンドロールが格好良すぎて、ほぼそれ目当てで2回目に行ってきました。何度見ても鳥肌立つ。
ほんの少し追記あります。ざっくり言うと、深読みしすぎた。
以下、ネタバレのオンパレードです。容赦なく書いてます。
続きを読む春休みなんてなかった
どうもお久しぶりです。
考えてることを発信したいなあと思いつつ、自己完結させるわ、めんどくさがり屋だわで何もしてません。
twitterもなんだかんだ呟くのが面倒くさくて……twitterが面倒とは、めんどくさがりの極みですね。
さっそくタイトル回収しますが、やっと試験が終わりました。春休み一週間目です。休みという気分ではないのですが。
けっこうだらだら~っと暮らしているのに休み気分にならないとはこれ如何に、と考えて思いついたのが「一日中遊んだ日がない」という結論でした。
体はだらけていても、あれもやらなきゃこれもやらなきゃと心は全く休めていない状態だったようです。
道理で解放感がないはずだ。
まあ、そんなこと言ったってやることがあるのは確かなので、どうにもできないのだけれども。
明日ははっちゃけるつもりなので、多少は休みフィーバーできるでしょう。
ところで、雪の影響がひどいですね。全国ニュースに住んでる町が出るとは思ってもみませんでした。びっくり。初めての冬なのでこんなものかなあ、と楽観視していたのですが、地元の人から見ても「今年は特別」なんだそうで。
いつか雪山を歩いた時と似てるなあ、と思いつつ買い物行ってます。天然のヒール(雪製)ってできるんですね。雪だるまを作る気力もありません。ロマンなんてなかった。
自然科学について知る機会があり、それがとても面白かったので、今一番の興味となっています。物理も医学も文学も、理論を作る工程は同じだから理解できると楽しいんですよね。それが文字であるか数式であるかの違いだけで。
私は根っからの文系で、数式はちんぷんかんぷんなので、理論の部分しかわかりません。理論を作り上げてきた学者たちの恩恵を受けているわけです。数式を扱う人への尊敬は人一倍あります。
理論の成り立たせ方は同じなのだから、文系と理系は理解し合える、というかどちらか一方だけの考え方では理解できないことが多くあると思うんですよね。なんというか、立ち位置は違えどやってることは同じなのに、文系理系であーだこーだ言ってるのが馬鹿らしくなります。
自然科学関係で、数式分からなくても読めるよっていう本があれば教えていただけると嬉しいです。今は『ホワット・イフ?』を読んでます。
久しぶりなのに、こんなとっちらかった文章で申し訳ないです。これからは1記事1テーマで書いていこうと思います。
5月に読んだ本
おや? もう6月も折り返しですね。
まだ5月分をまとめていませんでした。
先月は漫画を読み返したり、学業に関するのを読んでたりで娯楽的小説がほぼ読めてません……。
2冊(3冊?)しか読めていないとは……。自分でも信じられないです。買ってはいましたけど。
まず、皆川博子さんの『猫舌男爵』。
水葬が好きな私にとって、とても楽しい読書でした。
水と、音楽と、死。
表題になってる猫舌男爵だけ毛色が違ったかな。
コミカルでハッピーな話でした。
個人的に好きなのは、オムレツ少年の儀式。
このあとオムレツが食べたくなって、作ったのでした。
ヨーロッパと、日本と、中国と、ぐるぐる世界を一周してきたような気になる本。
皆川さんの文章好きだ……。辺境図書館もぜひ手に入れたい。あとクロコダイル路地買ってないんだよなあ、ほしいなあ。
次に富樫倫太郎さんの『土方歳三』上・下
3冊?と書いたのは下巻を6月1日に読み終えたからです。朝だから、カウントしていいということにする。わたしルール。
5月は土方さんの月、と思って読み始めたのはいいけれど終わりに近づくにつれ落ちていくスピード……。
理由は分かっています、寂しくなるからです。
富樫さんの描写はあっさり気味。一人の男としての死が描かれているのが好きなのだけれど、途中で泣かせにくるので気をつけなければいけない。
伊庭さんとか総司とのやりとりが生き生きしてて好き。
ということで5月分でした。
田舎なので近くの本屋の品ぞろえが悪くて、なかなか欲しい本が買えない状況です。それも楽しめればよいのですが、やっぱり欲しい本がいつでも買えるという安心がほしい。そう思うと実家は恵まれてたなと思うのです。歩けば本屋に当たる、な具合でたくさんあった環境から来た身としてはつらい。ネットで買えばいいじゃないという声も聞こえてきそうですが、それも味気ない。だから街に出た時に一気に買う、という手法を取っております。とはいっても買っちゃうんですが。
先月分を取り返すように、今は黙々と読んでます。月末にお会いしましょう。
読了本まとめ―4月―
前回から一カ月も経ってしまった。新生活が始まってバタバタしていたからなあ。一カ月分まとめる方式で行こうと思う。
いつでも本が買える環境というのはとても恵まれていたのだ。と深く思う一カ月だった。ネットで注文すればすぐだが、実際の店舗に行って買うのが醍醐味というものだ。
さて、4月に読んだ本は4冊。まだ四月は終わっていないけれどこれから一冊読み切るのは難しいだろう。
まず『諜報員アシェンデン』(私が読んだのは角川文庫版だったが、アマゾンさんになかったので手に入れやすい岩波文庫をあげておく)
ドストエフスキーやチェーホフが生まれたロシアに行けるという理由(『お菓子とビール』岩波文庫のモーム略年譜より)で諜報活動を引き受けたモームの自伝的作品。病気がちだったのに行くその情熱がすごい。なんて話は置いておいて、ほぼ実話だというからすごい話だ。派手なことは全く起きない。ただ淡々と人間観察と周囲の警戒をしている。けれど緊迫した空気はあってつい窓の外を確認したくなる、そんな話だ。
『ハイ・ライズ』
ハイ・ライズ (創元SF文庫) | J・G・バラード, 村上 博基 |本 | 通販 | Amazon
J・G・バラード、気になって一冊選んだのがこれ。高層マンションの話なのだが、階層で身分差が出来ていく感じ、今のマンションでも起こりえそうだ。これが1970年代に書かれたんだから、預言者か何かかと思ってしまう。こちらから見ると十分狂っているのに、この世界では当たり前のようになっている。狂っていると感じなければ狂ってはいないことになるのだろうか……?他の作品も読みたくなった。
『ヴェネチアー水の迷宮の夢』
ヴェネチア展に行った時に読もうと思って途中でやめていた。詩的で美しい文章に呑み込まれそうになって、この本自体が迷宮のように感じた。文字が、文節が、文章が、ぐるぐる回る。ヴェネチアはいいぞ。
水の被害によく遭う本。けっしてわざとではない。おかげでよれよれになってしまった。いったりきたりちょっとずつ読んでいたので読み切った。いやあ、やっぱり面白い。面白いというか、がつんとくる。意識って、人間って、戦争って、自由ってなんだ。自分の中で思考が始まる。たまに読み返して自問自答したい。
海外文学またはSFを読んでいるのは、勉強で読む本と娯楽で読む本を混同したくないからだ。がらっと違う本を読んで頭をリセットしたいからだ。翻訳文体が恋しくなる。せっかく一人の時間が増えたから、月10冊くらいは読みたいなあ。5月も読むぞー!
カフカ好きだよってはなし
今まで『変身』しか読んでませんでした、すみませんカフカ氏。
ということで今回はカフカの『城』のはなしをする。
やっぱり『虐殺器官』の影響です。あとJ.G.バラードが残っている……。
カフカ氏との出会いは小学5年までさかのぼる。近所に大型書店が出来たので、父と2人で行ったのだ。その時『変身』を見つけて面白そうだな、と思ったものの薄かったので分厚さを求めて『海辺のカフカ』にしたのでした。なんて小学生だ。(結局某はるきさんは好みの作家にならなかった)
なんてどうでもいいことはおいといて。『城』のはなしですよ。
古典を読んでる気がしないっていうのは『罪と罰』でも思っていた。外国の文学は難しい漢字が少なくて、日本の古典よりすらすら読める。
社会の不条理がよく出てくるのだけれど、なぜか暗い気持ちにならない。Kが起こったことは変わらないから次の一手を考えようってスタンスだからなんだろうな。与えられたチャンスを何とかいい方向へ向かうように頑張ってるのが好き。
主人公なのに感情の振りが激しくないんですよねえ。どこか冷めている。むしろ周りの人があーだこーだ言っている。村長の話とか女将の話とか第三者のわたしですら何言ってんだこいつ状態なのに、Kは我慢強いんです、ほんと。
記憶に残ってる登場人物は助手。二人で一人にされたくないのに一緒に動いちゃうのが良かったのかな。あとハンスくん。12歳という微妙な時期を見事に表してる。おとなのようなこどものような、あやふやな感じ。
いろいろ言いましたが、カフカ好きです。淡々としているのに飽きないからすごい。面白い面白くないで言えば面白くはないけれど、止まらないんです。
でも、これ未完なのだ。しかも絶筆ではなく放棄らしい。他の二作の長編も放棄している。
カフカも放棄しているのだからわたしも放棄、なんてことはしませんよ。最後まで頑張ります。いくつもの放棄があって物語は作られているんだなあと実感しました。